色を作る場合に「調色」と言います。 色とは、視角をとうして認識するもので、「赤」と言う色を表現する場合、ことばで表現できません。
一般常識として個人が認識しているものだからです。
たとえば、青、黄、白、黒、赤などの色紙を並べ「赤はどれですか」と聞いた場合ほぼ全員が赤色の色紙を指差します。
また、「赤い色を言葉で表現してください」と言った場合、赤い色の物にたとえて言うでしょう。
トマトのような赤、血液のような赤、消防車のような赤など見た事のある物に例えるはずです。
では、消防車の前でトマトと血液を比べてください、同じ赤でも少し違います。トマトは消防車の色より少し黄色みがかった赤です、血液は黒みがかった赤です。
では、先程の色紙にこの色を3色追加してもう一度聞いて見ましょう。「赤はどれですか?」今度は同じ赤でも3つに別れましたね。同じ赤なのに赤の認識が個人によって違うのです。
色を作る仕事をしている人は、かならず個人の持っている色の認識の「カベ」を見た経験を持っているはずです。
調色マンが長年の経験を元に、色見本に合わせて色を作つても個人の持っている色の認識の「カベ」が、イメージと違うと言われる場合があるからです。
それで、この色をよりイメージに近ずける為に、どのくらい、どのようにすればよいのでしょか?
よく言われるのが「もう少し」と言うことばです。色を作る仕事をしている人は色に関して非常に敏感なので少しの色の変化を見抜きます。個人の持っている色の認識の「カベ」の「もう少し」が調色マンにとって10倍にも感じられる場合が往々にしてあるのです。
そんな時調色マンは「もう少しじゃなくもっとだよ」と、ひとりごとをつぶやきながら今日も調色マンは、色見本を片手にトマトのような赤や、空のような青、ひまわりのような黄色をセッセと作っています。